佐藤航陽(2025年)ゆるストイック ダイヤモンド社
「自分の価値観を大切にしつつも、柔軟に適応する、「ゆるストイックな生き方」。それを提案します。」という謳い文句に惹かれ久しぶりに自己啓発系の書籍を読みました。以下に本書籍の簡単な概要を載せます。
①ジャンル:自己啓発
②想定読者層
・コロナ禍前後の社会の価値観・流れの変化を知りたい人
・個人のスキルの重要性を感じつつも行動に移せてない、移したが上手くいかなかった人
③書籍構成:6章立て+あとがき
1章:コロナ禍前後で起きた社会、個人の価値観の変化
2章:かつて通説であった6つの価値観のアップデート
3章:成功は「独自性」と「タダ乗り」の掛け算
4章:「ゆるストイック」で過ごすための心得
5章:継続のコツ
6章:今現在起こっている社会の価値観の対立、どう対応していくべきか
以下本書の感想になります。
まず本書は想定読者層の絞り込みがとても巧みでした。自己啓発書が気になってはいるがあまり押しつけがましい内容は勘弁したい、「意識高い系」の情熱は過ぎたが何もしないのは物足りない(不安だ)という読者層を見事に取り込むまえがきでした(私も見事に取り込まれました笑)。実際4/27日現在Amazonの評価は4.5(426レビュー)を記録しています。
タイトルにもなっている「ゆるストイック」は「ゆる」=「他人の価値観を許容し自己の価値観を押し付けない柔軟さ」、「ストイック」=「黙々と自己管理をおこないながら継続的に成長する力」と位置づけ、実際はレベルの高いことを求めているな…と購入してから気づいた人も多いのではないでしょうか。内容としては筆者である佐藤さんの考えが主で、継続の方法や現代社会の流れを知りたいのであればその分野の書籍にあたった方がいいかなと感じたのも事実です(継続性の本であれば「やり抜く力」アンジェラ・ダックワース ダイヤモンド社(2016年)など)。仮に佐藤さんの経歴を前面に押し出しより広い層を狙ったとすれば、本書の評価はもう少し落ち着いたものになったのではないでしょうか。その辺の需要の絞り込みのポイントは第4章に詳しく書かれています。
個人的に最も印象に残ったのは「「自分」とは、周りの環境との共同作品(p.98~)」という節です。恥ずかしながら私もよく自分探しのワナにはまってしまうのですが、この「自分と環境の「接着面」こそが、自分の本質(p.99)」という考え方は目から鱗でした。よくプライベートと仕事場での自分が違う等の悩みがありますが、あくまでそれは仕事場とプライベートという異なる環境と自分が接するからこそ起きる違いであってどちらも本質であることには変わらないのです。この考え方を知ったことでこれから先自分探しの旅も日帰りが増えるなと思いました。これまで何回行方不明になったことか…。
拙い感想になりましたが、少しでも気になっている人の参考になれば幸いです。
「ゆるストイック」:https://www.diamond.co.jp/book/9784478120729.html
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