モノに思いが宿る
空き時間にスマホをいじっていると、「今年のうちにやっておいたほうがよいこと」という占いを見つけた。そういえば今年も一か月を切ったのか…と思いつつポチってみると、「部屋の掃除をしなさい。特に紙類はその時々の気を吸いやすいから不要なものは捨てること!」との結果だった。占いで言わなくともそういう時期じゃない?と苦笑しつつも、早速実行するあたり私もチョロい。年末年始はごみ回収もお休みなので整理してもすぐに捨てられないからね!
紙類か~と探してみると、引っ越し時のままで保管していた段ボールを見つけた。開けてみると、フリーター時代に買った資格試験の参考書や自己啓発本などが詰まっていた。あの時は「自分には何もない。とにかく何か身につけないと…」って焦ってたなぁ、今も何か持っているかといえば怪しいけど笑笑。そう思いながら一つ一つ手に取ってみると、何度も読み直した跡や書き込みなどが残っていた。それを見ると茶化していた気持ちもどこかに消え、当時の思いが鮮明に浮かび上がってきた。すると途端に本の重みが増した。単純な本の重さだけではない。手が確かに本への思いも感じ取っていた。
そうなると、ただの本が思い出の品のように感じられ捨てにくくなってしまった。ただ最近は空白を作ることも必要なことだと理解してきた。モノは単純にスペースを取るが、それは物理的なスペースに限らない。そこに思いが重なれば心のスペースさえも埋めてしまう。部屋の収納に限りがあるように、心のスペースも無限ではないのだ。そう思い直しあらためて必要がなくなった本を選定し、資源ごみへ出せるよう紐でまとめた。それは傍から見ればただの整理にしか見えない。ただ私にとってはそれ以上の意味を持った。整理は目に見えるモノだけに限らないのだと。
長くなってしまったので人間関係に関する空白は後日その②として書きます。
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