卒業そして入学・入社の季節が今年もやってくる
街中でスーツや袴を着た学生を見かける季節になってきた。今の仕事先が学生街なこともあり今年は例年より卒業シーズンの雰囲気を感じる。そしてまもなく入学・入社の季節がやって来る。私自身のことで振り返ると直近(とは言えないぐらい時が経った)では新卒の入社だろうか。あの時は完全にブルーになっていて、内定をもらった時の働くぞ!という気概の欠片も残っていなかった笑。
そして新卒で入社した会社を退職して以後は職を転々としていることもあり、私にとって4月はいつの間にか通り過ぎるものとなっていった。いやこれはただの強がりかもしれない。そう、私は初めての退職以後この4月の雰囲気が受け入れられなくなっていた。
焦燥感と4月の気流
会社を退職したのが年度末だったこともあり、世の中は新年度の慌ただしさで溢れていた。そんな雰囲気を横目に辞めた解放感を満喫し、最初は平日に私服を着るのは落ち着かないなどと浮かれていた。だがとあるテレビのニュースがすぐに私を現実に引っ張り戻した。4月ということで入社式や入学式のニュースが続々と流れる。それを見て平静を装っていた私も背中に違和感を感じるようになった。やがて「あ、これが焦燥感なんだ」と気づくとすぐに頭の中は将来のことで一杯になっていた。(一応当時の自分を擁護しておきますと、退職前の事前リサーチで候補は絞っていて後はどれを選択するか落ち着いて検討しようと決めていました。)
最近は転職が当たり前の時代になったのでこういう言い方は古いかもしれない。だがこの退職は私にとって初めて社会からのレールから外れた瞬間だった。学生も入試や就職活動があるので誰もがこの4月の気流に乗れるわけではない。それでも4月が何らかの節目となるのが当たり前の生活をしてきた私には、退職以後4月を迎えても何も起こらないということがより一層の苦痛となっていった。世の中が「動」の季節であるかどうかは自分に関係がない。そう言い聞かせつつも未だに苦手意識を拭うことが出来ていない。理屈で感情を丸め込むのは難しいなと痛感する。
まもなく4月がやって来る。これから春の気流に乗る若者たちへ体には気をつけてねと静かに祈っています。背中に穏やかな風が吹く予感を感じながら。
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